勉強方法

SOCRAのおすすめ参考書
  1. 学習段階に応じた段階的なレベルアップが可能

    学生一人ひとりの学力や理解度に応じて、無理なく学びを進められる構成であることが理想です。そのためには、基本的な知識の定着を図る初歩的な内容から始まり、徐々に難易度を上げていく形が適しています。このように段階的に学習を進められる参考書であれば、学習の達成感を得やすく、長期的なモチベーション維持にもつながります。さらに、章ごとに明確な目標や学習のポイントが設定されていると、自分の進捗や課題を把握しやすくなります。

  2. 解説が詳しく、自己学習でも取り組みやすい

    参考書を活用する多くの学生は、SOCRAや学校の指導だけでなく、自己学習での理解を深めることを目的としています。そのため、解説が十分に詳しく、初見の問題に対しても独力でアプローチできる内容であることが求められます。具体的には、単なる解答の提示にとどまらず、解法のプロセスや考え方、つまずきやすいポイントの解説がしっかりと記載されているものが理想です。また、図や表を効果的に用いて視覚的にも理解しやすい工夫がされている参考書は、より幅広い学習者にとって取り組みやすいものとなります。

  3. 志望校に対応した内容

    参考書の選定においては、志望校の大学への合格を目指す学習者に対応できるレベルの内容が求められます。そのため、扱う問題は基礎的な学力を超えた高度な知識や思考力を要するものが含まれている必要があります。例えば、標準的な入試問題を超えた応用問題や、論理的思考を深める演習問題が多く収録されていることが望ましいです。また、最新の入試傾向を反映し、実際の試験で求められるスキルや問題形式に即した内容であることも重要です。

 これらの基準を満たした参考書は、学力の向上だけでなく、学習者の主体的な学びを支え、目標達成に向けた強力なサポートツールとしておすすめします。

おすすめ参考書

 単語・熟語

  1. 『システム英単語』 (駿台文庫)
    おすすめ理由 大学受験頻出単語が効率的に覚えられる構成。
    学習方法 1日30~50語を目安に反復。定期的に復習。
    使用上の注意 「例文」と「派生語」も確認。
  2. 『ターゲット1900 英単語』 (旺文社)
    おすすめ理由 重要単語がランキング形式で整理され、覚えやすい。
    学習方法  CDやアプリを使い、耳で覚える習慣をつける。
    使用上の注意 短時間で繰り返す。
  3. 『改訂版 鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』 (鉄緑会出版部)
    おすすめ理由 鉄緑会で使用される単語帳、厳選された単語で、語彙力強化に最適。
    学習方法 各セクションを分割して学習。解説を読み、例文も活用。
    使用上の注意 量が多いため、無理のないペースで取り組む。

文法

  1. 『Next Stage 英文法・語法問題』 (桐原書店)
    おすすめ理由 多くの問題形式に慣れ、実戦力が養える。
    学習方法 1日20問を解き、間違えた問題の解説を詳しく読む。
    使用上の注意 答えを丸暗記しないように注意。
  2. 『大学受験スーパーゼミ 全解説 実力判定 英文法ファイナル問題集 標準・発展編』 (桐原書店)
    おすすめ理由 難易度別に分かれた問題で、応用力を鍛えられる
    学習方法 1日1~2ユニットを丁寧に解き、間違いの分析をする。
    使用上の注意 標準編を仕上げた後に発展編へ進む。

英文解釈

  1. 『大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 英文解釈の技術100』 (桐原書店)
    おすすめ理由 英文法を使いながら高度な英文解釈技術を習得できる。
    学習方法 解説を読みながら、英文をノートに書き出し分解して理解。
    使用上の注意 自分で和訳してみて、解説と比較。
  2. 『英文標準問題精講』 (旺文社)
    おすすめ理由 受験で必須の英文構造を網羅。
    学習方法 文構造を図解し、暗記ではなく理解に重きを置く。
    使用上の注意 難解な箇所は教師や参考書に頼る。

長文読解

  1. 『やっておきたい英語長文300・500・700』 (河合出版)
    おすすめ理由 難易度別に長文読解力を段階的に鍛えられる。
    学習方法 長文を読んで設問を解き、解説を熟読。
    使用上の注意 時間を計り、試験環境を意識。
  2. 『英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー (1) 読み方・解き方編』 (河合出版)
    おすすめ理由 パラグラフ単位で読む訓練ができ、論理展開の理解を深める。
    学習方法 各段落の要旨をノートにまとめ、設問と照合する。
    使用上の注意 主題を見失わないように全体を俯瞰して読む。

リスニング

  1. 『英語耳』 (松澤喜好著)
    おすすめ理由 リスニング力と発音力を同時に鍛えられる。
    学習方法 CDを聞きながらシャドーイング。発音記号も確認。
    使用上の注意 毎日短時間でも継続する。
  2. 共通テスト英語リスニング 実戦問題集(各出版社より)
    おすすめ理由 共通テスト形式に特化しており、本番さながらの問題演習ができる。
    学習方法 解答後、ディクテーションやシャドーイングで弱点を重点的に補強する。
    使用上の注意 自己採点で苦手パートを明確にしつつ、出題傾向を把握する。

英作文

  1. 『ドラゴン・イングリッシュ基本英文100』 (竹岡広信著)
    おすすめ理由 自由英作文で求められる英文構造が学べる。
    学習方法 例文を暗記し、少しずつ応用練習を行う。
    使用上の注意 完全に暗記するのではなく、自分の言葉で書き換える練習を行う。
  2. 『英作文のストラテジー』(河合出版)
    おすすめ理由 大学入試の出題形式を幅広く網羅し、論理展開まで段階的に学習できる。
    学習方法 自力で書いた後、解答・解説と比較し、必ず書き直して定着させる。
    使用上の注意 例文を暗記するだけで終わらず、応用や添削を繰り返して表現力を高める。
高1~高3のスケジュール例
【全体の注意点】
  1. 継続性: 毎日少しずつ進める。無理に詰め込まない。
  2. 反復: 繰り返し復習して定着を図る。
  3. 応用力: 単なる暗記ではなく、自分で考える力を養う。
 高1: 基礎固め (1日2~3時間)
  • 平日
    英単語/熟語:30分
    文法問題:30分
    長文読解:30分

  • 休日
    リスニング/シャドーイング:30分
    長文読解:1時間
    文法/英作文:30分
高2: 応用力強化 (1日3~4時間)
  • 平日
    英単語/熟語:20分
    長文読解:40分
    文法問題:40分

  • 休日
    リスニング/シャドーイング:40分
    英作文:1時間
    模試や過去問演習:2時間
高3: 実践力完成 (1日4~6時間)
  • 平日
    過去問演習:1時間
    長文読解:1時間
    文法・英作文:40分

  • 休日
    模試形式で過去問:2~3時間
    長文読解/リスニング:1.5時間
    英作文:1時間

まとめ

参考書の活用: 1冊を徹底的に仕上げてから次に進む。
スケジュールの工夫: 毎日コツコツ進める習慣が大切。
注意点: 苦手分野に偏らず、バランス良く学習すること。特にリスニングや英作文は後回しにせず早期から始める。

開成中・灘中・筑波大附属駒場中・東大現役合格を可能にする勉強法とは

SOCRAでは、私が難関中学・大学に合格した経験で必要不可欠だと感じたことを実践しています。

基礎の大切さを知ること

勉強において大切なのは、理解することではなく使いこなすことです。私がそれに気づいたのは小学5年生の時でした。目の前にあるドリルを全部解き終えてしまい、物足りなくなった私は、その解答を全部消しゴムで消して、もう一度解き直していました。私はその過程で、「数字の論理に対する自分なりの捉え方」を身につけていったような気がします。
ある種の「型」と言い換えてもいいこの感覚を駆使して、2回目以降はスピードを意識しました。するとスピードは上がっているにもかかわらず、なぜか正確性も向上していたのです。素早く処理することはケアレスミスを誘発すると考えがちですが、実はその逆で、見直す余裕が生まれてミスは減ったのです。

難問への挑戦

基礎が定着すると応用問題に萌えあう機会が増えてきました。中には1週間以上も考えたのに答えが出せない問題もありました。考えに考え抜いた自分なりの解答。答え合わせの時には胸がワクワクしましたが、答えが合っているかどうかは正直なところあまり気になりませんでした。それよりも模範解答の解法と自分の解法との間にある差を見つけ、「次にこのような問題に出会った時、どのような論理を構築すれば対応できるのか」を客観的に分析することに力を注いだのです。そして得た知識や経験が、さらなる難問への挑戦の動機づけとなりました。

学習習慣を身につけること

また、中学高校時代は中間・期末テストや夏休みのレポートなど、期限が設定された課題が課せられるようになると、その期限に合わせて結果を出そうという意識が芽生えました。毎日の授業の内容をその日のうちにノートにまとめ直しました。もちろん敬遠してしまいがちな分野もあれば、部活で帰宅が遅くなり深夜までかかることもありましたが、必ず間に合わせるということを徹底し、誘惑に負けずに自分を律して、いつかやっておいて良かった、と思う時が来ることを信じて、学習習慣を身につけていきました。

私はこのような姿勢の継続と「知ること」そのものへの欲求との相乗効果こそが、開成中をはじめとする難関私国立中の合格と東京大学理科一類の現役合格と言う成果につながったと思っています。

SOCRAでは

私たちSOCRAでは、みなさんの現在の学力に応じて、基礎を駆使すること、論理的に考えること、課されたものに対して間に合わせること、を実践しています。
まず反復演習課題により「型」を身につけさせ、その正解率にこだわるのではなくどのような使い方を学んだのかを一つ一つ確認していきます。そしてテストでその理解度をチェックし、構築された自分なりの論理の有用性を体感してもらいます。またいつも自分の目標を設定し、それに合わせて作られた個人カリキュラムに従って学習していきます。そしてやる気にさせる対話を重視することによって、勉強に対する意欲を持ち、主体的に「知ることの楽しさ」を追求していく姿勢を身につけてもらいます。

「授業の時間が終わったから帰れる!」ではなく「次の授業までにこんな自分になろう!」と思って帰っていく。そういう毎日の積み重ねが自分を律することにつながり、大きな差となって結果に現われてくるのです。これこそが一貫教育を有意義にするSOCRAの指導理念に基づく「最強の勉強法」です。

進学塾SOCRA&jr.
一流中・医学部・東大受験指導科
原 淳一

数学青チャート勉強法

青チャートの3つのパターン

例題の問題文のみを見て、解けそうかどうか考えてみましょう。およそ3つのパターンに分類できると思います。

①ほぼ頭の中で解法がイメージ出来て、落とし穴となる部分が予見できるもの
②やってみないとわからない、紙とペンで試行錯誤してみようかなと思うもの
③まったく手掛かりがつかめず、お手上げ状態なもの

このうち、①のものは、実際に解法を確かめてみて下さい。
解法・注意ポイントがしっかりと意識できているのであれば、計算ミスがない限りは解ける問題です。もしミスがあったとしたら、それは自信を持って間違えた!ということにもつながりかねないことなので、本当に使える解法なのか、先生に相談をしてみたほうが良い問題です。多くは根本的な間違いを抱えています。どうすれば良いのかを考える必要があります。

②のものは、実際に取り組んでみて下さい。
取り組んでみて、上手に解答できているのであれば問題はありませんが、計算の無駄があったり、もっと効率の良い解法があったりとするかと思います。今後のための改善点を頭の中で整理しておくととても良いと思います。

③のものがあるということは、それは致命傷になりかねない部分です。
方針・解答・解説のところを読んでみて、解答を真似て書いてみましょう。この時にも「見ながら写す」ではなく、「理解してから思い出して書いてみる」のが良いです。しっかりと解法の原理を理解した上で、吸収していくことが大事だからです。もし、原理そのものが理解できないようであれば、先生に解説をしてもらうと良いと思います。

青チャートの勉強法

青チャートは、網羅系の問題集です。基本的解法を理解し、思考力をつけていくことで、難関国公立でも十分戦えるほどの実力をつけることができる本だと思います。ただ、それを総合演習まで完全にやりきるのは膨大な時間がかかります。本当に今の自分に必要なものを身に着けていくためにも、自分の身の丈に合ったレベルから、コツコツと積み重ねていく必要があります。演習する問題のレベルが低すぎても時間の無駄につながりますし、高すぎても理解できなくて無駄に終わるでしょう。だからこそ、自分の学力をきちんと理解してくれている先生に出題をしてもらい、適切な順番で、適切な時期に演習を行うことが、無理なく無駄なく確実にステップアップしていけることにつながります。学びエイドなど映像教材を補助的に見るのも有効です。学習時間が確保できる今だからこそ、青チャート解法チェックを進めてみませんか?

進学塾SOCRA&jr.
一流中・医学部・東大受験指導科
河野 祐嗣

体系数学の学び方

まずは体系数学から始めよう!

 体系数学シリーズは中高6ヵ年の内容を学習指導要領にとらわれない体系的な配列で再編成した教材です。例えば中学1年生で習う「方程式」と高校1年生が習う「不等式」は自然につながる内容であり、体系数学では「方程式」の後に「不等式」を学ぶカリキュラムとなっています。そのような多くの中高一貫校で採用されており、昔から算数数学の勉強をしていて数学がずば抜けて得意、という方以外は中学段階においてはまずこの体系数学を学べば大学入試に向けた中学段階の数学の理解としては十分です。この長期休みに、より一段数学の力をつけるための体系数学の学び方をお伝えします。

体系数学を制するものが中学数学を制する!

 体系数学では基本的な事項や問題が教科書にまとめられており、体系問題集で演習することにより力がつきます。体系問題集はLevel A, B(と部分的にC)と難易度別に問題が分かれていて、基本に不安のある人はLevel Aを確実になるまで反復しましょう。「Level A」=「簡単」というわけではないのです。学校の定期テストでもLevel Aの問題が出てくる割合は高く、数学が苦手だと感じる人はLevel Aを確実にするだけで理解度や得点力はかなり上がると思います。ただし、さらなる高みや定期テストで高得点を望むためにはLevel Bの問題の理解も不可欠になります。Level Bの問題は難易度が高く、一朝一夕でできるものではないです。そのため、Level Bをこれから頑張りたいという方には、以前に習った単元のLevel Bに挑んでみることをお勧めします。長期休みは過去の振り返りをする絶好のチャンスです。逆に言えば、通学しながらの学習は今やっている分野に追われてしまうため、復習をするのは難しいと思います。「体系数学さえやれば大丈夫」と信じてこの長期休みを体系数学に注ぎましょう。

チャート式体系数学も見てみよう

体系数学シリーズには「チャート式体系数学」という参考書があります。体系問題集に載っている問題の中で基本的なものや重要なものについて、例題を通して解法が詳しく解説されています。体系問題集で分からない問題がある時は、チャート式で似た問題を解いてみましょう。実はチャート式は高校数学では標準的な参考書であり、大学受験まで続くものです。今からチャート式を通した勉強に慣れておくと将来有益でしょう。

体系数学は中学の参考書だけでは足りない!?高校の参考書も見てみよう!

 体系数学は前述の通り、中学の内容だけでなく高校の内容も含まれます。中学の参考書を手に取ってしまうかもしれませんが、調べたい・練習したい項目が載っていないことが多々あります。そんな時は高校の参考書を見てみると役立つ情報や問題・解法が載っているということがあるのです。ただし、自分で参考書を調べたり有用なところを抜き出したりするのはとても難しく、時間がかかることです。ぜひソクラの先生に相談してもらい、効率よく勉強するようにしましょう。

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一流中・医学部・東大受験指導科
山下 慎司

英語 夏期講習からの学習法(高1・2/受験基本編)

秋以降の飛躍的な伸びを実現するには、基礎・基本の徹底を!

・受験生は受験本番までまだ時間があるように思える時期ですが、残り半年を切っています。焦ることはありませんが、秋以降は発展内容や過去問演習をやっているとあっという間に冬です。夏休みが終わってしまうと、基本の復習をしている時間はほとんど取れないかと思われます。英語は基礎・基本が何より大事。基礎・基本がほとんどすべてなんだと言っても過言ではないと私は思っています。夏の期間にしっかり基礎・基本をおさえておきたいところですね。

英語の基本は文法と単語!

・基礎・基本と言われてもいったいどうすれば…?とみなさん思いますよね。英語の基礎・基本は、単語と文法です。みなさんも何となく気づいていながら、なかなか手を付けられないでいるのではないでしょうか?まずは教室に来て、一緒に文法から始めませんか?私はまずは文法から始めて、英語を楽しみながら理解していって欲しいと思っています。わかると英語も面白くなるかもしれませんよ?単語は文法をやりながらゆっくりやっていきましょう。単語についても、ただ暗記するだけじゃなくて、その語にまつわるお話も出来るだけしていきたいと思います。

まずは授業をしっかり受けよう!そしてすぐに復習だ!

・予習自体は軽くでOK。でも、授業はしっかり受けましょう。みなさん他の科目の学習など時間をとらなくてはいけません。私の授業は、予習なんてなくてもしっかり理解できるようになっています。(もちろん、問題演習型の授業は問題を解く予習が必要ですが、それ以上は不要です。)その代わりに、復習はしっかりやってください。しっかり復習して、「授業でやった英文はぜーんぶ覚えちゃった!」というのが理想です。それも、すぐに復習。授業を受けて、帰ったらその日のうちにすぐ復習してほしいと思います。

復習の基本は、「やった問題は完璧」に!そして音読!

・先ほど言いましたように、授業でやった問題を完璧にすれば大丈夫。他の教材に浮気するのはNGです。復習もお家で机に向かっているだけだと飽きます。結構つらくなります。そんな時は、大きな声で音読してみるといいですよ。最初は家族が気になったりすると思いますが、気にしないこと。自分のすばらしい(あるいは、すばらしくない)音読を聞いているうちに楽しくなりますよ。実は私も英語は全然覚えられなかった(受験の時は一番ダメな科目)のですが、音読で一気に英語力が生まれ変わりました。10回読むと楽しくなります。20回で自分の中の変化を感じます。30回でもうやめられなくなります。音読で、文法・読解力・単語、さらにはリスニング力もつきますし、英作文もできるようになります。音読についてはまた改めて効果を説明しますが、とにかくおススメです。ちょっとした空き時間や、ほかの科目に飽きたときにやれるのも素晴らしい点です。みなさんもぜひやってみましょう。

進学塾SOCRA&jr.
一流中・医学部・東大受験指導科
清宮 貴之

英文法の大切さを考えてみよう

目まぐるしく変化を遂げる社会の中で、求められる人材モデルも変容し、
2020年「新学習指導要領の導入」「大学入試改革」「英語改革」の3つの教育改革が行われました。

そのうちの英語改革については、以下の通りです。

  • 小学3・4年生での外国語活動の開始
  • 小学5・6年生での教科としての英語導入
  • 中学高校での授業の原則英語での実施
  • 大学入試での4技能※評価の導入
    ※4技能:スピーキング、ライティング、リーディング、リスニング

このように英語教育の早期化とこれまでのインプット中心(リーディング、リスニング)から、発信型の技能が問われることとなります。この背景には、グローバル化が進む社会において「使える英語」の習得が要請されているところにあります。

上記4技能について考えるとき留意しておきたいこととして、それぞれの技能は独立したものでも、いずれかの技能が基礎となって他の技能が成立するといった垂直的な関係でもなく、4つの技能は本来相互に補完し合う関係であるということです。

ここでもう一つ注意しておきたいのが、4つの技能の水準を決定づける要素の存在です。それが知識力と思考力となります。では、知識力や思考力とはどのようなものでしょうか。知識力は、文法知識、語彙、背景知識、文章構成の型の理解といった思考する上での必要条件となる、いわば思考する上でのツールの多寡と考えられます。思考力は、これらの知識を、課題文や放送を理解するとき、問いに対して解答する上での条件整理をするとき、解答や意見としてまとめあげるときといった、場面に応じて運用できる力及びその瞬発力と考えられます。

今述べたことを前提として、表題にある「英文法の大切さ」とは何かを考えてみましょう。まず、文法力と一口に言いますが、3つの段階があります。以下の通りです。

  1. 文法知識として個々の項目を理解する段階。
  2. 文章理解や解答のために必要な知識を吟味し運用できる段階。
  3. 2のレベルを瞬時にできる段階

このように文法力には習熟度によって意味するところが変わってくるのです。また、1の段階では、知識としての理解にとどまるため「使える英語」を目標としたときには大きな隔たりがある状態です。ここから少しずつレベルをあげていく上で、ジャンルを問わずたくさんの英文や問題にあたることを通して、実際に文法の知識を使っていく経験を積んでいくことが必要ですが、折に触れて基本となるフレーズや文の理解や暗唱に努めることも大事になります。「できる」ことを増やすことと「わかる」ことを深めることのバランスを取りながら継続することが肝要となります。どのような英文も自分の立場に置き換えて接し、実際に使用する場面を想定して、自分なりに多少のアレンジを加えてみるといった能動的な姿勢が、生きた知識へと高めるコツではないかと思います。文法を正しく理解し、使いこなすレベルまで高める意識を持って取り組めば、具体的な成果として、

  • 難解な英文も正確に理解できる
  • 文章の展開に予測がつく
  • 英文の組み立て方がわかるので、自分の考えたことを言葉にできる
  • 解答の理由づけに自信が持てる etc.

といった、多くの利点があります。「使える英語」の修得が最終的な目標とはなりますが、その通過点としての受験英語を考える際、テストである以上点数がつくものである必要があることを踏まえると、正誤のはっきりするもので構成されていることがほとんどですので、その判断において、なんとなく読めた(聞けた)といった理解では太刀打ちできないのです。

文法の修得は、そうした曖昧さを排し、正確な理解と理路整然とした解答への道標となることは間違いありません。SOCRAの生徒の皆さんが、英語の4技能が意味するところを理解し、その達成のために必要な勉強を正しく積み重ねていってくれることを願ってやみません。 

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一流中・医学部・東大受験指導科
大熊 将吾

長文読解のレベルを上げる方法

使用教材例:やっておきたい英語長文300、500、700、1000(河合出版)

対応できる学校タイプ

難易度別に編集されているため、共通テスト過去問演習前の基礎固めから使用することができます。問題難易度の上昇と並行して長文のワード数も増えていきます。300語程度のものからはじめ、1000語を超える長文まで段階的に長くなるので、文章読解への耐性が自然と身につく構成となっています。どの学校を受験校として選択するにしても必要となるのは精読力です。英文和訳や下線部説明問題など正確に解釈できていないと正答できない問題を多く含むため、最終的には難関国立大レベルの対応まで可能だと思われます。

目標

まずは英文の構造を正しく理解し和訳できる状態を目指します。その上で設問への正しく向き合い方と解答に至るまでの手順を身につけることが目標です。初めのうちはわからない単語が多く出てきたり、構文がうまく取れなかったりと、文意が理解できないことも多いかもしれませんが、調べても良いので継続することが大切です。1度目で正答できなくても良いので授業で解説をしっかり聞いて、問いに対しての着眼点から解答に至るまでの過程を理解し、解き直しを行うことで、もう一度自力で再現できるかの確認を習慣としてほしいと思います。

学習内容

長文のテーマとして自然科学分野と社会科学分野がバランスよく構成されているため、解き進めていくなかで幅広い背景知識が身につくことが期待できます。興味のある分野については、自分でも調べてより深く理解しておくことが望ましいです。また、英文読解に頻出の構文、語彙が繰り返し出てきます。初めは正確に理解するということが大切ですが、その後の学習としては何度も読み返すことで、「わかる」という段階から「使いこなす」という水準まで高めることを意識してほしいと思います。

チェックテスト

本文理解としては、次の観点を意識してセルフチェックしていくことが有効です。

  • 1文1文を日本語訳できる。
  • 音読して理解できる。
  • 音読よりも早いスピードで黙読して日本語を介さずに理解できる。

③まで到達することを目標として各文章を繰り返すことが望ましいと考えます。また速読の到達目標は共通テストを意識する場合、180WPM※を目標にトレーニングすると良いと思います。

設問理解としては、解き直しが有効です。その際、正誤だけでなくきちんとリーズニングできているか確認してください。選択肢問題は誤答についてもなぜ不正解になるかを説明できるようにしておくことを心がけましょう。
※1分間に理解できる語彙数

改善

読解中心のインプット型の学習から、自ら発信できるレベルまで引き上げられるよう、知識面については本文出てくる単語の意味だけでなく語法を意識して学習することが有効です。気に入った表現はメモと取りためておくことも良いです。諳んじられる表現をたくさんストックしましょう。

読み方としては、より批判的に読むことを心がけてほしいと思います。各課題文で取り上げられるテーマについて自分なりに意見できると良いでしょう。その際、理由を2つ程度挙げられるようになることを合わせて目標としましょう。

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大熊 将吾

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